特集：管理適正化法大きな一歩に／賃貸住宅のトラブル、紛争の軽減に期待／高度化・複雑化する市場、現場の適応能力道半ば

賃貸住宅市場が新たなステージに突入する。「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案（管理業法案）」が今国会中に成立する見通しだ。法案成立後１年以内に施行され、サブリース業に関する規制は６カ月以内に施行となる予定だ。安心できる賃貸住宅が安定的に確保できるとともに紛争の軽減につながると期待されている中で、麗澤大学経済学部経営学科客員准教授で大東建託賃貸未来研究所・ＡＩＤＸラボ所長の宗健氏に賃貸住宅ビジネスの今後の展望・市況などを寄稿してもらった。寄稿／麗澤大学経済学部経営学科客員准教授　大東建託賃貸未来研究所・ＡＩＤＸラボ所長　宗健賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案（賃貸管理適正化法）が３月６日に閣議決定され現在国会で審議中である。順調にいけば６月には成立し、特定賃貸借契約として定義されたサブリースの適正化については年内にも施行される見通しである。　適正化法は、賃貸住宅管理業の登録制度と特定賃貸借（サブリース）契約の適正化のための措置等の２つが大きな柱となっている。賃貸住宅管理業登録制度では、小規模な管理業者は適用除外とされる見込みであるため、貧困ビジネスとして福祉物件等の生活保護住宅扶助費が暴力団関係者に流れている課題などに対応しきれない恐れもある。一方、サブリースの適正化については、「誇大広告等」と「不当な勧誘等」をサブリース契約の勧誘を行うもの、すなわちハウスメーカーや工務店の建築請負の営業や投資用ワンルームの販売なども、サブリース契約を前提とする場合には規制の対象になっていることが特徴である。これは、シェアハウス等のサブリースと不正融資が組み合わされて引き起こされた『パンプキンショック（かぼちゃの馬車事件）』が社会問題化したことが大きな背景にある。　ともあれ賃貸住宅ビジネスが法的に位置づけられることには大きな意味があり、賃貸住宅ビジネスのあり方を大きく変える一歩になるだろう。●賃貸ビジネスの市況は賃貸世帯数で決まる　日本では人口減少も始まっていることから、住宅市場の将来を不安視する声もあるが、人口は減少していても世帯数は増加している場所も多くある。そして賃貸ビジネスの市況は総人口や総世帯数ではなく賃貸居住の世帯数に大きく左右される。このとき重要なのは持ち家比率の長期推移である。１９９８年と２０１８年の住宅・土地統計調査を元にした持ち
情報元サイト：「週刊住宅タイムズ」
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